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オハ31系客車
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 オハ31系は鉄道省が1927年から導入した,初の鋼体車体を持つ客車の形式群で,正式な系列名称ではなく,1927年から製造されたオハ44400形(のちのオハ32000形→オハ31形)と同様な車体を持つ客車を総称する用語です。一般車は全長17m,一等車,二等車,食堂車などの優等車は全長20m。優美な二重屋根(ダブルルーフ)で,外板はリベット固定,また台枠は台車中心間の中梁が大きく膨らんだ魚腹台枠を持っています。17m車の台車はイコライザ式2軸ボギーのTR11,TR12,TR13形を用いています。一方,20m車である優等車の台車は,3軸ボギー台車のTR71・TR72形です。

分類 車種 形式 (改造は一部のみ記載) 特徴
一般車
全長17m
三等車 オハ31 (オハ44400→オハ32000)
オハフ30 (オハフ45500→オハフ34000)
オハ31形,オハフ30形は1927年から1929年にかけそれぞれ512両,165両製造,製造時はそれぞれオハ44400形,オハフ45500形と呼称したが1928年の車両称号規定改正でオハ32000形,オハフ34000形に改称,さらに1941年10月の称号改定でオハ31形,オハフ30形と改称
二等車 オロ30 (オロ41700→オロ30600)
オロ31 (オロ41700→オロ30600)
オロ30は1927年に先行試作車として2両製造,座席ばボックスシート,オロ31は1927年から1929年にかけ144両製造,座席は転換クロスシート
ニ・三等合造車 オロハ30 (オロハ42350→オロハ31300) 1928年に30両製造
郵便・荷物車 オハニ30 (オハニ47200→オハニ35500)
スニ30 (スニ47800→スニ36500)
スニ30 (スニ36650)
スユ30 (スユフ47500→スユ36000)
スユニ30 (スユニ47600→スユニ36200)
オハニ30は1928年に64両製造,スニ30は1927年から1931年に84両製造されたスニ47800形→スニ36500形と,1932年に25両製造されたスニ36650形を1941年の称号改正時に統一した形式,スユ30は1927年に30両製造,スユニ30は1927年に15両製造
救援車 [改]オヤ9920/スユ30/スユニ30/スニ30/オハニ30/オハ31/オル31
  →スエ30
スエ30は17m級の救援車で,62両が改造された
優等車
全長20m
一等寝台車 マイネ37 (マイネ48120→マイネ37100)
マイネフ37 (マイネフ48260→マイネフ37200)
1928年にそれぞれ8両,4両製造
二等寝台車 マロネ37 (マロネ48500→マロネ37300)
マロネフ37 (マロネフ48580→マロネフ37500)
1928年にそれぞれ43両,23両製造
食堂車 スシ37 (スシ48670→スシ37700) 1928年,1929年に39両製造
荷物車 カニ37 (カニ49900→カニ39500)
カニ37 (カニ39550)
1927年に5両製造されたカニ49900形→カニ39500形と,1930年に6両が製造されたカニ39550形を1941年の称号改正時に統一した形式
( )内は1928年称号改正前→1941年称号改正前の形式

オハ31
No.315-01
1993年10月11日
オハ311
津軽鉄道 芦野公園
元国鉄オハ31 26で,津軽鉄道に譲渡されたオハ311。その後さいたまの鉄道博物館に収蔵されています。
(2022/10/07 本ページに追加)
No.D850_221112-172
2022年11月12日
オハ311
鉄道博物館



オハ311の車内。津軽鉄道のストーブ列車として運転されていた時代のなごりの石炭ストーブが2箇所に備えられています。
(2022/11/17追加)
スニ30
No.226-7
1991年7月25日
スニ30 95
[オハ31系客車]
佐久間レールパーク
ダブルルーフ,車体全体にリベットが並ぶスニ30はオハ31系に分類される17m車です。スニ30 95は1929年に大阪鉄工で製造され当初スニ36500形と称し,1941年の称号改正でスニ30 95と改番,1961年には名古屋工場で救援車スエ30 8に改造されました。その後1987年に廃車され,佐久間レールパークにてスニ30 95に復元展示されました。
(2022/10/06ワイド化)
No.D700_120104-392
2012年1月4日
スニ30 95
[オハ31系客車]
リニア鉄道館



リニア鉄道館に収められたスニ30 95。アンチクライマの構造がよく解る構図。
(2024/05/29追加)
スエ30
No.145-20
1987年3月30日
スエ30 9 [高タカ]
[オハ31系客車]
高崎第二機関区
国鉄最後の機関区開放撮影会にて,屋根の曲線が美しいスエ30 9。1932年に25両が製造された荷物車,スニ36650形,後のスニ30形スニ30 11を改造した車両がこのスエ30 9で,1987年2月10日付で廃車になっています。
(2022/10/06ワイド化)

 2008年10月18日 スロ81・スロフ81系のTESTページ新設
 2009年3月16日 旧型客車のTESTページ新設
 2009年5月16日 キャプション記載
 2022年9月29日
    〜10月4日 形式一覧表作成
 2022年10月4日 スロ81・スロフ81のページを本ページの60系客車に集約
 2022年10月4日 職用車のページからオヤ31,スヤ42,スヤ32,スヤ52,オエ61を本ページに移設
 2022年10月6日 写真ワイド化完了
 2022年10月7日 オハ31系,スハ32系,オハ35系,70系,60系,スハ43系,10系のページに分割
 2022年10月7日 形式一覧表に各形式の概要を記載
 2022年10月12日 形式一覧表に1941年称号改正以前の形式,1928年称号改正以前の形式を追記


■ 参考文献
 Wikipedia 国鉄オハ31系客車


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