国鉄新性能電車

101系

 1957年,国鉄では増大する通勤輸送に対応するため,数々の新機軸を採用したモハ90系を開発しました。台車装架式の100kW出力小型軽量高速主電動機MT46,中空軸平行カルダン駆動装置,72系全金属車をベースとして進化させた軽量車体,鋼板プレス部材を溶接組立てしたウイングばね形のボルスター式ペデスタル台車DT21, DT21TとTR64,多段式主制御器,2両1ユニットを永久連結式としたMM'方式,発電ブレーキと電磁直通空気ブレーキによる電空併用ブレーキ,など新機軸を備えています。モハ90系は1959年6月1日の称号改正により101系と改称しました。当初は全電動車方式による高加減速運転を想定し電動車のみが製造されましたが,変電所容量やコスト面から困難となり1958年から付随車サハ101サハ100,1960年からは制御車クハ101クハ100も陣容に加えられ,1969年までに1,535両が製造されました。

■ 新製車
形式 番号 製造年 主な仕様相違点
クモハ101 901-902 1957 試作車,奇数向き制御電動車(Mc),主制御器,MG搭載,主電動機MT46,埋込式雨樋,側引窓・戸袋窓はアルミ合金窓枠支持,通風器は押込型,台車DT21X,新製時モハ90501,90503
911 1960 試作車,電力回生ブレーキ試験車
1-209 1958-1966 量産車,主電動機MT46A,雨樋外付,側引窓・戸袋窓はHゴム支持,通風器はグローブ型,1-54は新製時モハ90511-90617
クモハ100 901-902 1957 試作車,偶数向き制御電動車(M'c),パンタグラフPS13C搭載,主電動機MT46,埋込式雨樋,側引窓・戸袋窓はアルミ合金窓枠支持,通風器は押込型,台車DT21X,新製時モハ90500, 90502
911 1960 試作車,電力回生ブレーキ試験車
1-193 1958-1965 量産車,パンタグラフPS13,増備途中からPS16,主電動機MT46A,雨樋外付,側引窓・戸袋窓はHゴム支持,通風器はグローブ型
801-806 1961 中央線の山線区間用としてパンタグラフ取付部を低屋根化したバージョン
モハ101 901-903 1957 試作車,クモハ100またはモハ100とユニットを組む中間電動車(M), 主制御器,MG搭載,主電動機MT46,埋込式雨樋,側引窓・戸袋窓はアルミ合金窓枠支持,通風器は押込型,台車DT21X,新製時モハ90001, 90003, 90005
1-264 1958-1965 量産車,主電動機MT46A,雨樋外付,側引窓・戸袋窓はHゴム支持,通風器はグローブ型
モハ100 901-903 1957 試作車,中間電動車(M'),パンタグラフPS13C搭載,主電動機MT46,埋込式雨樋,側引窓・戸袋窓はアルミ合金窓枠支持,通風器は押込型,台車DT21X,モハ90000, 90002, 90004
1-263 1958-1966 量産車,パンタグラフPS13,増備途中からPS16,主電動機MT46A,雨樋外付,側引窓・戸袋窓はHゴム支持,通風器はグローブ型
801-811 1961・1965 中央線の山線区間用としてパンタグラフ取付部を低屋根化したバージョン
クハ101 1-85 1960-1969 奇数向き制御車(Tc),初期車はクモハ101へ電装可能な設計とされたが後期車は準備工事無し
クハ100 1-95 1960-1968 偶数向き制御車(T'c),初期車はクモハ100へ電装可能な設計とされたが後期車は準備工事無し
サハ101 1-145 1958-1969 付随車,旧サハ98形奇数番号,初期車はモハ101へ電装可能な設計とされたが後期車は準備工事無し
201-301 1960-1966 MG,CP搭載,電装可能な設計とされたが243以降は準備工事無し
サハ100 1-107 1958-1963 付随車,旧サハ98形偶数番号,電装準備車として後位側にパンタグラフ設置可能な構造
201-244 1960-1962 MG,CP搭載

クモハ101-902
No.D200_100522-125
2010年5月22日
クモハ101-902

鉄道博物館

中央線の101系。
No.D700_150718-99
2015年7月18日
クモハ101-902
鉄道博物館
101系三鷹行。
(2015/07/20追加)
No.D700_150718-100
2015年7月18日
クモハ101-902
鉄道博物館
101系クモハ101-902の車内。直流電車の主電動機の部分にはメンテナンス用の蓋がありました。博物館では透明な蓋して電動機が見えるようになっています。
(2015/07/20追加)
No.D700_150718-102
2015年7月18日
クモハ101-902
鉄道博物館
101系の車内。両開扉は1941年のサハ75で採用された例はあるものの試作に留まっており,量産車への採用はこの101系が嚆矢となりました。
(2015/07/20追加)
クモハ100-901 Model
No.D700_150718-269
2015年7月18日
クモハ100-901 模型
鉄道博物館
クモハ100-901の模型。
(2015/09/13追加)
クモハ100 1-193
No.125-30
1986年4月7日
クモハ100+クモハ101
南武線 尻手
浜川崎/奇 クモハ101+クモハ100 尻手

この尻手-浜川崎間の4.1キロの南部支線には黄色5号の101系2両が充当。
(2015/01/17追加)
クハ100 1-95
No.125-29
1986年4月7日
クハ100他 6両
南武線 尻手
川崎/奇 クハ101+モハ101+モハ100+モハ101+モハ100+クハ100 立川

南武線立川行き101系。手前がクハ100,2両目と4両目の後ろ側にパンタがあり6両貫通編成です。
(2015/01/17追加)
101系 mock-up
No.D700_120103-294
2012年1月3日
101系モックアップ
交通科学博物館
窓の大きい101系。オレンジバーミリオンの大阪環状線,実際にはない前パン装備,前頭部のモックアップです。下からのアングルで三連窓の上部の窪みに設けられた通風口が確認できます。
No.D700_180502-159
2018年5月2日
101系 モックアップ
京都鉄道博物館



この101系前頭部モックも弁天町にあった交通科学博物館から移設されています。

No.D850_221228-118
2022年12月28日
101系 モックアップ
京都鉄道博物館



モックアップながら101系の姿を伝える貴重な存在となっています。
(2023/04/13追加)

 2013年1月14日 101系・103系のページ作成開始
 2013年1月20日 101系・103系のページ新設
 2023年3月16日 キャプション欄左右入替完了
 2023年4月6日 103系と分離しページ新設
 2023年4月6日 Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化
 2023年4月6日 写真ワイド化完了
 2023年4月7日 新製車一覧表を追加
 2023年4月7日 新製車一覧表の形式番号から写真へのリンクを設置


■参考文献
 小玉 光  新形国電のあゆみ 鉄道ファン241 1981年5月号 交友社
 Wikipedia 国鉄101系電車


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