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50系客車

 50系は国鉄が主に地方都市圏の通勤・通学向けに1977年から設計・製造した一般形客車の系列で,本州以南向けの50形と北海道用の51形があります。また,同一の車両構造を有する荷物車マニ50形,郵便・荷物合造車スユニ50も含まれます。

■ 新製車 (スユニ50は改造名目)
形式 自重 車番 両数 台車 製造年 特記事項
オハ50 27.3t オハ50 1-2335
335両
TR230 1978
〜1982年
本州以南向け普通座席車。外部塗色は赤2号。窓は上段下降・下段上昇のユニット窓。
オハフ50 27.6t オハフ50 1-2488
488両
TR230 1978
〜1982年
業務用室,専務車掌室,トイレを装備する緩急車。窓は上段下降・下段上昇のユニット窓。外部塗色は赤2号。
オハ51 28.2t オハ51 1-62
62両
TR230A 1978
〜1982年
北海道用の普通車。酷寒地対策として,客室窓は小型の一段上昇式二重窓,車軸発電機はギア+シャフト駆動。1〜10は車体側面戸袋窓が小型。外部塗色は赤2号。
オハフ51 29.8t オハフ51 1-68
68両
TR230A 1978
〜1982年
北海道用の緩急車。酷寒地対策として,客室窓は小型の一段上昇式二重窓,車軸発電機はギア+シャフト駆動。1〜10は車体側面戸袋窓が小型,床下水タンクの位置が異なる。外部塗色は赤2号。
マニ50 28.6t マニ50 2001-2072,
2101-2264
236両
TR230 1977
〜1982年
常務員室屋根上にAU13形冷房装置を設置可能な設計のためオハ50,オハフ50より屋根高さが50mm低い。荷重14t,外部塗色は青15号。全車電気暖房(EG)を装備。
スユニ50 31.5t スユニ50 2001-2063,
501-517
80両
TR47B 1978
〜1983年
台枠を含む車体は新製.。TR47形台車・自動連結器はスハ43等の廃車発生品を流用し改造名目。500番台は北海道向け。外部塗色は青15号。
各形式とも電気暖房装置(EG)併設車は車両番号+2000を付与

■ 主な改造車
用途・形式・番台 番号 両数 改造年 改造内容
快速[海峡]
50形5000番台
オハ50 5001-5015 15両
オハフ50 5001-5016 16両
1987年
1〜3月
2000番台車を種車とし,側面窓を固定式大型一枚複層窓に交換,外部塗色は青地に白帯。青函トンネル内現在位置表示装置取付け。座席は新幹線0系発生転換クロスシートに交換。JR北海道が承継。
快速[海峡]
51形5000番台
オハ51 5001-5004 4両
オハフ51 5001-5004 4両
1990年 快速[海峡]増発用。塗装や車内は50形5000番台とほぼ同等。オハフ51にはトイレ対向部にベビーベッド設置。非冷房で出場,後にAU51形集約分散式冷房装置2基搭載。ED79から冷房電源を得るため暖房も電気暖房に変更。
アイランドエクスプレス四国
オロ50・オロフ50
オロ50 1-2 2両
オロフ50 1-3 3両
1987年 四国初のジョイフルトレイン,落成はJR化後。5両編成で3両でも運用可。110km/h運転対応。オロフ50 1・2は開放展望デッキ設置。
アメリカントレイン
オニ50・オニフ50
オニ50 10両
オニフ50 2両
1988年 日米通商摩擦緩和活動の一環で1年間運転された「アメリカントレイン」用に改造。オハ50形10両,オハフ50形2両をオニ50,オニフ50と形式変更,車内をパビリオンに改装,外部色は星条旗風塗装に変更
くしろ湿原ノロッコ号
富良野・美瑛ノロッコ号
510系
オハ510 1  1両
オハテフ500 51 1両
オハテフ510 1-2,51 3両
オクハテ510 1-2 2両
1998年
1999年
観光列車ノロッコ号用に改造。オハテフ500,510はトロッコ車両。
SLあそBOY
50系700番台
オハ50 701 1両
オハフ50 701-702 2両
1988年 車体はダブルルーフとし,車端部に密閉式の展望デッキ設置。客用扉を折戸に変更,外部塗装をレトロ調配色とした。
ノスタルジックビュートレイン
オハフ50形2500番台
オハフ50形3000番台
オハフ50 2501-2502 2両
オハフ50 3001-3002 2両
1990年
1991年
五能線活性化目的で改造。塗装は上半黄色,下半茶色に白帯。開放式展望デッキ設置,側面窓は大型固定窓に変更,車内は木材を多用したレトロ調とした。3000番台は1991年増結用に増備。種車はアメリカントレインのオニ50形

■ 譲渡車
譲渡先 用途 番号 譲渡年 内容
真岡鐵道 SLもおか
50系
真岡車番 種車
オハ50 11 オハ50 2198
オハ50 22 オハ50 2039
オハフ50 33 オハフ50 2054
1993年 JR東日本・上沼垂運転区から3両を譲渡。外部塗色はぶどう色2号に変更。当初白帯を入れていたが,2010年の全般検査で赤帯に変更。

オハ50 オハフ50
No.N8302-13
1983年3月3日
DE10 1184+50系
予讃本線 丸亀←宇多津
瀬戸大橋が出来る前,のんびりとした予讃本線宇多津付近をゆく1184号機牽引50系。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.49-27
1984年4月15日
DD51 1112+マニ50+50系
東海道本線 大阪←新大阪
50系を牽引して大阪駅に向かうDD51 1112。
(2006/10/22再スキャン 2022/09/16ワイド化)
No.72-15
1984年9月26日
ED77 6+50系4B
磐越西線 翁島→猪苗代
磐越西線・猪苗代付近を走行するED77形6号機牽引の50系客車。オハフ-オハ-オハ-オハフの編成。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.73-9
1984年9月26日
ED77 1+50系6B
磐越西線 翁島←猪苗代
ED77形1号機牽引,オハフ50,オハ50,マニ50,スユニ50とオール50系の編成。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.111-23
1985年10月21日
DD51 1113+50系6B
山陰本線 下市←中山口
50系6両を牽引するDD51 1113号機。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.113-6
1985年11月17日
DD51+50系8B
関西本線 加太→柘植


DD51に牽引され加太の有名ポイントをゆく50系客車8Bの編成。
(2022/09/16ワイド化)
No.121-6
1986年3月17日
EF30 13+50系5B
山陽本線/鹿児島本線 門司
関門の主,EF30に牽引される50系5B。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.186-21
1990年3月31日
EF71 5+50系
429レ
奥羽本線 福島
板谷峠に向かうEF71牽引50系2B。客車の数は寂しいですが,堂々としたF級電機の頼もしさを感じます。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.186-34
1990年3月31日
EF71 6+50系 普通列車
奥羽本線 峠
峠のスイッチバックをゆくEF71 6号機牽引の50系。この時代,4駅連続スイッチバックが徐々に廃止され,スノーシェッド内に簡易プラットホームを設けて駅にしていましたので,必然的に客車両数も絞られました。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.187-26
1990年4月29日
50系客車
山陰本線 長門市
50系は山陰でも大活躍。長門市駅の側線に留置される50系編成。オハフ50 411には長門市-下関のサボが入っています。
(2022/09/16 ワイド化)
No.202-2
1991年2月3日
ED77 14+50系
磐越西線 磐梯町
ED77形14号機に牽引され磐梯町駅に滑り込む下り50系普通列車。
(2006/05/29再スキャン 2022/09/16ワイド化)
No.202-5
1991年2月3日
オハフ50 2307
磐越西線 磐梯町
雪の磐梯町に到着したEF7714牽引の下り客レは50系4両でした。サボは新津か新潟かのいずれかです。車内保温にはやはりデッキ付き車両が最適。
(2011/12/24追加 2022/09/16ワイド化)
No.213-21
1991年4月6日
ED77 10+50系
磐越西線 郡山
ED77形10号機牽引の50系4B磐越西線普通列車。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.229-16
1991年8月4日
ED78 8+50系2B
普通列車
奥羽本線 庭坂
雨の庭坂駅に停車するED78形8号機牽引の50系奥羽線普通列車。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.235-5
1991年9月14日
ED75 743+50系4B
普通列車
東北本線 青森
50系の普通列車を牽引する743号機。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.314-3
1993年10月10日
EF81 97 +50系3B
普通列車
東北本線 千曳→乙供
RF81形97号機牽引50系3Bの普通列車。北斗星の間合い運用として青森口の東北本線普通列車仕業が組まれていました。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.321-38
1994年1月6日
ED75 739 + 50系3B
東北本線 野辺地
野辺地駅に停車中の739号機牽引50系普通列車。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.D700_141011-346
2014年10月11日
オハフ50 68
京都鉄道博物館
休憩室として梅小路の扇形機関庫の脇に留置されているオハフ50。オハフ50形は前位側を業務用室,後位側(写真手前)を専務車掌室とし,トイレを装備しています。乗務員用扉が両エンドにあるのが特徴。
(2022/10/09追加)
No.D700_180502-255
2018年5月2日
オハフ50 68
京都鉄道博物館
現役当時は旧型客車を廃車に追いやった50系を白い目で見ていましたが,全国どこでもお目にかかり,ローカル線乗りつぶしでは懐かしい想い出がたくさんあります。
(2020/04/19追加)
快速「海峡」 50形5000番台
No.190-32
1990年6月17日
ED79 17+50系
快速 海峡
津軽線 青森
ED79形17号機牽引で青函トンネルを通る快速「海峡」には50系5000番台が使われています。
(2022/09/16 本ページに追加)
真岡鐵道 50系
No.D70s_060611-38
2006年6月11日
SLもおか 6001レ
50系客車

真岡鐵道 市塙→笹原田
C12牽引で人気の「SLもおか」には50系が使われており,塗色変更されているものの原形に近い形態です。編成は,下館寄りから,オハフ50-33(旧2054)−オハ50-22(2198)-オハ50-11(2039),いずれも新潟鉄工製です。
(2022/09/16 ワイド化)
No.D700_180428-009
2018年4月28日
SLもおか 6001レ
オハ50-11

真岡鐵道 下館
24mmで捉えたC1266と1号車オハ50-11。2010年の全権出場から三等車を表す赤ラインになり,以前より風格が出たように思います。
(2018/04/30追加)
No.D700_180428-053
2018年4月28日
SLもおか
オハ50-11

真岡鐵道 久下田
上と同じC1266とオハ50-11。動く客車列車,貴重です。
(2018/04/30追加)
No.D700_190505-028
2019年5月5日
SLもおか 6002レ
C11325+50系3B
真岡鐵道 天矢場←茂木
令和のヘッドマークを付けたC11形325号機牽引の50系。
(2022/09/16本ページに追加)
オハ51 オハフ51
No.16-32
1983年8月18日
DD51 648+50系51形
室蘭本線 伊達紋別
室蘭本線の客レにも51形客車が使われていました。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.17-27
1983年8月21日
DE15 1+50系51形
1722レ
江差線 七重浜
DE15形1号機が牽引する50系51形7Bの江差線普通列車。江差線の51形客レは上磯−函館間に朝1往復,木古内−函館間に朝上り,夕方下りの1往復の設定がありました。私の乗車したキハと交換。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.149-21
1987年8月
ED76 512+50系51形
函館本線 札幌
51形客車を牽引して札幌に進入するED76 512。
(2022/09/16 本ページに追加)
快速「海峡」 51形5000番台
No.321-9
1994年1月6日
快速「海峡」
50系51形5000番台
津軽線 青森
583系と並ぶ50系51形5000番台による「海峡」。側窓の上下が小さいのでオハフ51-5000番台と判ります。専用塗色に冷改,アコモ更新でグレードアップしています。
(2022/09/16 ワイド化)
マニ50
No.26-31
1983年12月4日
EF58158+マニ50+マニ44+マニ50
荷2032レ
東海道本線 灘→六甲道
東灘信号所をゆく158号機牽引の荷物列車。EF58158の次位にマニ50が付いています。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.32-2
1984年1月29日
DD13 200+マニ50+マニ
北方貨物線 宮原操付近
マニ2両を牽引して大阪駅から宮原操までやってきたDD13200。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.40-1
1984年3月29日
EF62 18+マニ50×2+マニ44
荷2030レ
東海道本線 名古屋
夕刻の名古屋に到着した2030レ。EF62にマニ50が2両,マニ44が1両連結されています。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.48-26
1984年4月10日
EF58149+マニ50
紀勢本線 和歌山
12系の普通列車にマニ50を連結する入換作業をするEF58149。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.123-22
1986年3月20日
ED76 60, マニ50+12系+14系
鹿児島本線 西鹿児島
明星HM付きの60号機の後部には,マニ50+12系+14系ハネという「かいもん編成」が留置されています。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.148-05
1987年7月31日
マニ50
MOTOトレイン専用車
東北本線 青森
1986年からサービスを開始したMOTOトレインは,3段B寝台車のオハネ14形1両とオートバイ緊結装置を取りつけたマニ50形2両を急行「八甲田」に併結し,上野-青森間を運転しました。1988年の青函トンネル開業後は,MOTOトレインを併結した「八甲田」は臨時「海峡」として函館まで運転していました。
(2022/10/09追加)
No.D700_130306-42
2013年3月6日
マニ50 2186
常磐線 水戸
このマニ50は「リゾートエクスプレスゆう」が非電化区間に乗り入れる際の電源車として使われている車両で,ディーゼル発電機を搭載し,窓割りが大きく変更され,「ゆう」に合わせた塗色にされています。通称ゆうマニ。
(2013/03/09追加 2022/09/16ワイド化)
スユニ50
No.130-21
1986年7月19日
スユニ50 2009+50系

山陰本線 益田
郵便・荷物合造車のスユニ50。車体は新製ですが自動連結器や台車は旧形客車の発生品を流用しています。
(2010/01/30追加 2022/09/16ワイド化)
No.D200_090817-112
2009年8月17日
スユニ50 501 [札サウ]

小樽市総合博物館(手宮)
スユニ50形500番台は北海道向けに17両が製造されました。トップナンバー501が保存されています。スユニ50 501はオハ46 2535の台車,連結器を流用して長野工場で1982年に製造されました。
(2022/10/09追加)
アイランドエクスプレス四国 オロ50 オロフ50
No.164-18
1989年5月5日
EF65 1127[関]+50系
アイランドエクスプレス四国
東海道本線 芦屋→西ノ宮
JR四国所属の50系客車改造ジョイフルトレイン。1987年3月に登場,JR発足後に使用開始されています。JR四国のコーポレートカラーをまとい,瀬戸大橋を渡って関西にもやってきました。
(2022/09/16 本ページに追加)
No.164-20
1989年5月5日
EF65 1127+50系
アイランドエクスプレス四国

東海道本線 芦屋→西ノ宮
アイランドエクスプレスは,その後スハフ12を増結し6両となり,専用塗色のDE10とともに活躍しましたが,1999年6月にキハ185系にバトンタッチして引退ししました。写真の斜めストライプのある塗装は初期の頃のものです。
(2022/09/16 ワイド化)
アメリカントレイン  オニ50・オニフ50
No.157-37
1988年7月16日
EF60 19+50系
アメリカントレイン

総武本線 両国
頭端式ホームである両国駅3番線,団体・臨時ホームで展示中の「アメリカントレイン」。日米通商摩擦緩和活動の一環で1年間全国各地で展示され,EF60 19と50系客車12両が星条旗塗色となりました。
(2022/10/09追加)
No.158-03
1988年7月16日
クモユニ143
50系 アメリカントレイン

総武本線 両国
50系客車はオハ50形10両,オハフ50形2両をオニ50,オニフ50と形式変更し,車内をパビリオンに改装して米国に関する案内や現地製品の展示が行われました。なお,本来荷物車(ニ)には緩急車記号(フ)を付けないためオニフという形式は異例でした。
(2022/10/09追加)
SLあそBOY 50系700番台
No.180-37
1990年1月27日
50系700番台
SLあそBOY用客車

豊肥本線 熊本
熊本構内に留置中のあそBOY客車,隣はオハネ25 100番台車。50系700番台は,1988年に「SLあそBOY」用に施工された改造車で,外部塗色をレトロ調配色とし,車体は屋根をダブルルーフとし,車端部に密閉式の展望デッキを設置,オハ50 701の客用扉は折戸に変更しています。なお,この車両は2009年に「SL人吉」用に再改造されています。
(2022/10/09追加)

 2008年10月18日 TEST ページ新設
 2022年9月15日 新製車一覧表を追加
 2022年9月16日 改造車一覧表,譲渡車表を追加
 2022年9月16日 写真ワイド化完了
 2022年9月16日 キャプション欄左右入替
 2022年9月24日 Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化

■ 参考文献
 Wikipedia 国鉄50系客車


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